こんにちは!和田です
戌年の私は今年、年女
点火してきました!塞の神
その年の五穀豊穣や無病息災を願う「塞の神」
山古志では今年多くの集落で14日(日)行われました
竹沢集落では午前中に雪で土台をつくり、その上に竹で骨組みをつくりました
骨組みの周りにワラ等でツリーの形にして最後に「ツノ」と呼ばれるものを一番上に縛ったら完成!
お昼すぎ区長さんからのお話のあと、ロウソクで点火する人を決めました
年女の私も指名され、年女2人でドキドキしながら点火しました(*^_^*)
例年、年男・年女1人ずつのようですが今年は年男がいなかったもよう
快晴続きでワラが乾いていたのもあって かなり火の回りが早かったです
火が落ち着いてきたら各々持ってきたお餅やイカを焼き始めます
この日のためにお手製の餅焼き網を持ってきた器用なお父さんも!
後日、ほかの集落に参加していた隊員の話を聞いて
集落ごとでそれぞれ微妙に異なることが判明☆
そういえば、神奈川の実家では子ども会で書き損じやお正月の飾りを燃やしたり
クシの先にお団子を刺して焼く「どんど焼き」なるものがあったなぁと懐古してみたり…
地域ごとの差が気になったので「塞の神」についてちょっと調べてみました
地域によっては「サエノカミ」とも呼ぶ塞の神(サイノカミ)
日本昔話のなかにも塞の神にまつわるこんな話が…
☆ ★ ☆ ★
昔、ギャンブル好きで怠け者の男がいました
その男と家族が住む家の隣には塞の神がいました
12月全国の疫病神が出雲へ集まる時、その地域の疫病神がある紙を塞の神に預けました
その紙には翌年にその地域でおこる災いがかかれていて、読んでみると
塞の神の隣に住む男の家が1月14日火事で燃えると書かれていました
そして1月14日。
塞の神がなんとか男と家族を火事から守り、命からがら助かった男はそれ以降ギャンブルを止め、
塞の神がこっそり疫病神から預かっていた紙を火事の火で焼いたおかげで、
その年その地域では災いが1つも起こることがありませんでした。
☆ ★ ☆ ★
これは長野県のある地域で伝わっている話だそうですが
山古志でも塞の神にまつわる唄や、俗説が集落ごとに数多くあります
参考にしたのは私のバイブル(笑)「山古志村史」です
明治生まれのおじいちゃん、おばあちゃんの話を昭和後期にまとめた山古志村史
今実際にされている方はほとんどいないようですが
現在の様子と比較しながら集落ごとに違いをまとめてみたいと思います!
*小正月のだんご飾り*
【梶金集落】
1/14を「団子祝い」とし、ミズクサかブナの木にお神酒を供え
蒸かした米粉をマユ玉、野菜、鳥、牛、馬、農具などの形にして団子の木にし、
さらにお餅で梅の花をつくり、それを団子の木にさし、豊作を願ったそう
これら「団子祝い」でつかったお餅を、塞の神の火で焼いて食べるとまめになる、と考えられています
*塞の神の作り方や点火の違い*
【種苧原集落】
・15日の午前中、小屋(塞の神)をつくる
・小屋は松の骨組みの上にワラをかけて縄で縛った円錐形
・中に松の木で作った神様を入れ、入口には男女をかたどった雪人形を2体置く
・午後、選ばれた年男が小屋に火をつける
・子どもたちが唄を歌う
・団子飾りの団子を焼いて食べると、歯が病まない、頭がよくなる
・塞の神の火で煙草を吸うと虫歯にならない
・厄年の女は櫛を火に投げ入れる
平成Ver.
午後 公民館前に集合
なぜかプチ運動会状態
↓
点火
公民館で抽選会
↓
燃え尽きたのを見て解散
さすがたなす!(種苧原=たねすはらのことを地元の方はたなすと呼びます)
お祭り好きな集落だけあって、塞の神にプチ運動会をやるという先進的な発想
【虫亀集落】
・煙の方向にある家は養蚕が上手くいく ・小屋の中が空洞な種苧原とは異なり、軸にワラを巻きつける形式
平成Ver.
午前中に小屋をつくる
↓
午後から点火し燃す
集落センターでビンゴ大会
【池谷集落】
*女の正月*
池谷集落では塞の神の翌日を「女の正月」「男の勝手」といい、女が休み、男が台所仕事をする
その晩は精進料理をつくる(けんちん汁、きりざい、納豆汁、白和え)
平成Ver.
点火
イカを焼いているお父さん
軸は木で作っている模様
山古志には5地区14集落があって
それぞれちょっとずつ雰囲気が違うのが面白いなぁ、と感じていたのですが
今回の塞の神ではその違いをみることができました
みなさんも実際に足を運んで確かめてみてはいかがでしょうか!